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「えーっと、ごめん。誰?」
わたしの言葉に彼女は呆気にとられた顔になり、次の瞬間、目をつりあげた。
「もうっ。私は吉井亜希っ。何度言えば覚えるの?」
唾を飛ばしそうな勢いで怒鳴られ、呆然とするわたし。
彼女のあまりの剣幕に、苦笑するしかなかった。
高校に入学して、一ヶ月。
わたしは人の名前を覚えるのが苦手。
というよりあまり人に興味がないわたしは、クラスメートの半分以上の名前を知らなかった。
「ごめんね。で、何か用?」
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