第1章 ~無の戦い~

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 リゼルは魔術養成学校である。それ故に、生徒、教師は皆魔法が使えるのだ。  もちろんリゼルの入試は魔力テストである。そのテストは受験者がどれだけの魔力の持ち主であるかを判断するテストだ。  受験者の中には入試目的以外で試験を受ける者たちがいる。彼らは何のために受験するかと言うと、実はリゼルでの魔力テストの結果は就職にも役立つのだ。  つまり、リゼルは魔力の養成と測定の二つの役割を担っているのである。  そんなリゼルで魔法について勉強する一人の少年、【クリス=ラルコフ】。彼も一応魔力の持つ主だ。  しかし、その力は他の生徒と比べると天と地の差であったのだ。低レベルな魔法を馬鹿にして笑う生徒も中にはいるが、彼は彼なりに高レベルの魔法についての勉強もしている。  何故クリスの魔法はこれほどにもレベルが低いのか。それにはちゃんとした理由があった。  誰の目から見ても納得してしまう理由が───
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