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「俺がこの学校に入った理由かぁ…。確か───」
「『三英雄の一人、ケビン=ロードのような人みたいに強くなりたい』、って言ってたのよね。フフフッ」
クリスの言葉を遮った女性は微笑んでいた。その女性を一目見て、サラは思わず叫んでしまった。思いもよらない登場人物が…。
「学長!!どうして貴方の様な方がここに?」
【学長】と呼ばれる女性は、相変わらず楽しそうな笑顔をしていた。
知的で美人なメガネ姿の学長は、二人を交互に見ながら話を進めた。
「クリス君が一生懸命に剣術の練習をしているのが窓から見えたのでね。」
その穏やかな口調は、周りの人々を安心させるような働きがあるように思えるほど、とても癒される物だった。
それと学長がさっき言った言葉。そう、『剣術の練習』だ。
クリスの魔法が最低ランクにあったのは、全てこの剣術の腕を磨くことに熱中していたからだ。
「学長も言ってやって下さいよ。コイツに魔法の勉強をちゃんとしなさいって。」
そう言ってサラはクリスに呆れつつも彼の頬を引っ張った。
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