祝賀会

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同日 午後6時11分 訓練区 「…72………73…」 ズダダッ!ダダダダ… 射撃訓練室。ここでは明彦が両手にマシンガンを構え、連続して出現する人型の的を正確な射撃で次々と撃ち抜いていた。 「…78………79……」 ジャキッ 狙撃訓練室には夏美の姿が。スナイパーライフルに弾丸をリロードし、数百メートル先の的を狙う。 「……はちじゅ…ご………はちじゅ…ろく………!」 柔道場では、翔が他の訓練生を… ズダン! 1本!巴投げで制した。 そして、 「きゅう…じゅ…はち………きゅう…きゅう…」 必死の形相で、お気に入りの私服を汗でびしょびしょにしながらも、腕立て伏せをしている守。 「……ひゃ……く……。」 やっとの思いで辿り着いた100回目。急激に脱力しその場に寝転んだ。 「もう終いか?私は腕立て200回と言った筈だが。」 すぐ横には鞘に納めた刀を掴んでいる華里奈が。 「…ゼハー…ゼハー…いや…ゼハー…無理…200とか…ゼハー…ゼハー…無理…。」 虫の息。 そもそも昨日まで普通の高校生(帰宅部)だった守に東京ドーム程の広さがある訓練区をランニングで3周、腕立て伏せ・腹筋・背筋・スクワットをそれぞれ200回ずつやらせるなど…正直に言おう。華里奈さんは鬼だ。鬼畜だ。極悪非道だ。ていうか何であのトレーニング器具を使わせてもらえないの?ねぇ、何で? それにしても妙な感じだ。ここには訓練生専用の制服が存在しないらしい。皆、私服だ。 そして、予想外かつ不都合な事実が1つ。 「守く~ん!頑張ってる~?」 この訓練区の責任者、及び教官は…あのオカマ・バーのジョディとかいう男…。 …何故こっちに来る。あの一件以来、俺はあんたらオカマに対してトラウマなんだよ。 「汗びっしょりじゃない!アタシが拭いてア・ゲ…るぐぅっ!!」 衝撃が突然ジョディの鳩尾を襲う。華里奈が刀を抜き、叩き込んだのだ。 「…峰打ちだ。安心しろ。」 流石は並の戦闘員では太刀打ちできない程の力量を持つ華里奈。教官であるジョディを1発だ。 ちなみに華里奈はオカマが守の半径5メートル以内に近づく度に抜刀している。とても頼もしい。
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