祝賀会

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「だ、大丈夫?翔君、思いっ切り乗っかってたけど…。」 夏美はそう言って守の手を引き、立ち上がるのを手伝ってくれた。 「お、おう…大丈夫だ…。」 「情けないなー。男のくせにー。」 翔、黙れ。 「そんな事より俺から1つ提案なんだけど、ちょっと良いー?」 「…提案?」 「うん。せっかく俺達のグループに1人加わったんだからー、パーティーでもしてみたらどーかなーって。」 「……え…。」 俺が訓練生になったから…お祝いをしようって事か? 何だか転校生みたいな気分だな。 「それいいね!やろ!やろ!」 夏美も乗り気だ。 「もちろん守には嫌とは言わせないからねー。」 「え?いや、俺も喜んで参加させてもらうよ。」 まだここにあまり馴染めていない守への厚意だろう。断る訳がない。 その時、 「何をやっているんだ貴様らは。サボっている余裕があるのか?」 不機嫌そうな顔をした明彦が歩み寄って来た。 「!」 守と明彦の目が瞬時に合う。そして、 「―チッ!」 舌打ち。 「あ、もちろん明彦も来るよねー?」 明彦の目前にひょっこりと顔を出す翔。 「? 何がだ?」 「守君が仲間に入って来てくれて嬉しいなパーティー。」 そのまんまやん。 「ルーキーの?誰が行くか!そんなもの!」 「嫌とは言わせないよー。」 明彦の目前に詰め寄る翔。へらへら笑いはいつの間にか、鋭く、冷たく、不気味な笑いへと変貌していた。 「明彦ってさー、たしか格闘に関しては俺らの中で最低レベルだったよねー。対して俺は格闘は得意中の得意。」 「な…何が言いたい…!」 「明彦ー。羽交い締めにしてでも連れてくからねー。」 「…お、おい!貴様!何を…………………………………ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 翔って……怖い?
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