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「それじゃあ俺は色々用意していくからー。守と夏美は俺の部屋の前で待っててー。」
「…や、やめろ…。」
本当に明彦を力付くで連れ去っていく翔。
あいつだけは……翔だけは敵に回しちゃいけない気がする。
何故かって?直感だよ。
「それじゃ、あたし達も行こっか?」
と、夏美。
「あ、ちょっと待った。腕立てやんないと…。」
「どうせ100回くらいじゃ何にも変わらないよ!行こ行こ!」
腕立て伏せ100回を…100回くらい……か。
俺にもいつか、そう言える日が来るんだろうか?
まあ好都合な事だけは確かだ。華里奈には悪い気もするが言葉に甘えさせてもらおう。
「翔の部屋の場所が分かるのか?」
「任せて!ここの構造は全部覚えてるから!」
た、頼もしい!!
ずっっっっっと方向音痴と行動を共にしていたためか、夏美がより一層輝いて見える。もはや女神?
大人しくは夏美に着いて行く事にした。
そして行き着いた先には、Lー369号室…翔の自室だ。
ちなみに関係者用の居住区の部屋数は半端ではない。番号が3桁になるのはそのためだ。
中でも戦闘員は次々と殉職者が現れるため、部屋が入れ代わる事も。
「随分早く着いたな…。華里奈とは大違いだ。」
「え?どうゆう事?」
「華里奈って方向音痴だろ?だから、あいつに道案内してもらった時は施設中をさ迷う事になっちゃってさ…。」
「…そう。」
冗談を言うかのような勢いで言ったつもりだが…夏美の表情には笑み1つ無い。
「…夏美?」
「……ねえ守君。華里奈ちゃんが方向音痴になっちゃった理由、知ってる?」
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