祝賀会

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カチャ 翔は一足先に部屋に入り、3人を招き入れた。 「誰かを招き入れるという事はきちんと掃除されているんだろうな?」 と、明彦。 「いつも綺麗だから掃除する必要なんてないよー。まあ上がった上がったー。」 パチチッ 蛍光灯のスイッチを複数同時に入れ、玄関からリビングまでの空間が照らされる。 「じゃ、お邪魔します…と。」 そして守が靴を脱ぎ、猫背になりながらも玄関から上がろうとした。刹那。 ドドドドドドド…ガバッ 「ん?何の…どわぁッ!?」 何か、大きくてフサフサした物体が急接近。凄まじい勢いでのしかかられた。 事態の状況をここまで把握できただけでも我ながら上出来だろう。 あとの事は…例えば自分が今どんな体制にあるのかとかは、全然分からない。 「ばぅばぅばぅばぅ!!」 え?何?ばぅ 「…ハッハッハッハッハッハッハッハッ。」 何?何!?何々!?!?息切れ!? 「うわわ!大丈夫!?」 近くにいる筈の夏美の声がやけに遠く聞こえた。 「あー。駄目だよ大豆ー。」 だ、大豆!?翔、大豆って!? 「ばぅばぅばぅ!!」 おそらく俺の上に乗っているのであろう、その物体が激しく暴れ出す。 「ちょ…助け……ぐぁ…。」 重い……。 …………ガクッ 「あー、逝っちゃったかなー?」 「……クゥーン?」
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