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ダァン!!ダァン!!
直線的に続く真っ白い廊下。行く手を遮るように立ちはだかる戦闘員2人目掛けて守が両手の拳銃を発砲。命中させた。
ゴム弾が撃ち込まれれば戦闘員、訓練生問わずリタイア。2人の戦闘員の表情には悔しさその物が浮かび上がっていた。
「よし…!」
勢いはこちらにある。このまま一気に制圧してしまおうと走り出した、その時。
カチャ!
通過しようとしたドアが開けられ、部屋からマシンガンを所持した戦闘員が現れた。
「しまッ…!」
マシンガンの銃口はこちらへ向けられている。慌てて拳銃を構えようとするが…間に合わない。
ダァン!!
「ぐぅッ…!」
しかし、そのマシンガンに撃たれる事はなかった。後方から翔が拳銃を両手に構え、引き金を引く。ゴム弾は戦闘員の脇腹に命中した。
「守!もっと慎重に!」
と、翔。
「わ、悪い!」
試験開始から30分。訓練生、戦闘員の残存人数が共に半分ずつになった頃だ。
守達のグループには未だに失格者は出ず、ひたすら廊下を突き進んでいた。
「僕が先行する!貴様らは下がっていろ!」
明彦はマシンガンを両手に抱え、先陣きって走り出した。
「私も行く。お前達は後ろを頼む。」
明彦を追うように華里奈も駆ける。流石場慣れしているだけの事はある。動きに無駄がない。
あの方向音痴も発生していないようだ。いつか言っていた、任務中は方向感覚がはっきりするという話は本当らしい。構造図を持たずに本部を走り回れるというだけでも充分にそれを証明している。
守、翔、夏美は後方に銃を構え、警戒しながら先を急いだ。
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