狂い出す運命

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「まずは誰にしようかな。武谷君には色々と聞きたいから、椎羅木君から逝こうか。」 芝崎の拳銃が守の左胸に押し付けられた。 「……く………!」 守の頬に一筋の汗が流れる。 怖い。 「あ、そうそう。次は君だよ。お嬢さん。」 「……………。」 舞はもはや悲鳴をあげない。諦めたのだろうか。 「まったく。何で戻って来たんだろうね。よりによって、こんな日に。」 そして、引き金を押さえていれ芝崎の人差し指に力が込められた。 ダァン!!……… 一発の銃声。 舞う血飛沫。 「ぐああああああぁぁぁああああ!!!」 響き渡る………芝崎の悲鳴。 見ると芝崎の拳銃を持っていた手な小指が無くなり、血がとめどなく噴き出している。 「ああッ……あ゙ああああああ!!!」 「うわ…。」 守の服には芝崎の血がべっとりだ。 「武谷…!貴様!!」 「え!?」 武谷はいつの間にか手錠を外し、拳銃を持っていた。 「あれくらいの手錠で私を止められると思ったの?」 武谷は余裕の笑みを浮かべている。 「くそ…!裏切るだけでなく芝崎さんまで…!」 凄まじい形相で武谷を睨み付ける阿嘉欺。 「裏切る?それは違うわ。私は最初からあなた達の仲間じゃない。私は……スパイみたいなものね。」 「騙してたのか…!」 「卑怯とか言わないでよね。悪党が!」
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