戦闘員資格試験

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「諦めなさ~い!!うッふふふふふ!!」 ズダダダッ!ダダダダダダダダ!! 嵐のように吹き荒れるゴム弾。キョウコはサブマシンガンを片手に翔と夏美を仕留めようとしていた。 「うわッ!危なッ…!」 「翔君!こっち!」 全速力で十字路を右折しキョウコの猛攻を逃れる翔と夏美。 「逃げても無駄なんだからぁ!!」 キョウコはまるで飢えに飢えた肉食獣のような形相で2人を追った。 「どうしよっかー…。拳銃でサブマシンガン相手は辛いねー。」 翔は拳銃に新たなゴム弾をリロードし、両手で胸の前に構えた。 「こんな至近距離じゃスナイパーは役に立たないし…。」 夏美は試験用の武器として拳銃の他に得意のスナイパーライフルを所持している。 だがスナイパーライフルは狙撃のための武器だ。近距離で使うという事は自滅を意味しかねない。 かと言ってサブマシンガンを連射している戦闘員相手に拳銃をがむしゃらに発砲しようというのは、かなりの危険が伴う。 「…夏美、考えがあるんだけど……。」 「え?」 「さぁて、どちらさんからリタイアかしら~ん?」 余裕を持て余しているキョウコ。2人が右折した十字路へ足音を豪快に響かせながら迫っていた。 逃げ回る訓練生をサブマシンガンを片手に追いかけ回す。 なんという、快・感!! さあ、逃げなさい!アタシのサブマシンガンが、アナタ達を痛め付けてあげるからぁぁ~!! ダッ 「当たれッ…!」 ダァン!!… その時、翔が十字路の陰から翔が飛び出し…即座にキョウコ目掛けて発砲。 しかし狙いを定める間は無かったためゴム弾は天井へ直進した。 「やるじゃないの!…ねぇッ!!」 キョウコはサブマシンガンの銃口を翔に向け、引き金を引いた。 「く…!」 間一髪。曲がり角の陰に再び飛び込み、ゴム弾を回避した。
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