戦闘員資格試験

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「待ちなさいよぉぉぉぉぉぉ!!!」 「こっちに来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 拳銃を持つセレナから全速力で逃げまくる守。 何故逃げてるかって?そんなの簡単だ。 俺の意志が!体が!本能が!!あのセレナというオカマに恐怖しているからだ!!! 半年前、あのオカマ達と初めて会った日、俺はあのセレナとかいうオカマに、ワイン口移し兼、ファーストキス強奪をされそうになったんだ!! それが主な原因でオカマ達にトラウマ………特にセレナには全身全霊で拒絶するようになった! なのに…なのに………何で試験でセレナに追い回されなきゃならないんだよ!!勘弁してくれよ!!! 「止まりなさ~い!お兄…じゃねぇや。お姉さんと楽しいことし・ま・しょ~!!」 「キモいんだよ!!喋るなぁッ!!」 「ひっどぉ~い!おしおきしちゃうぞぉ~!!」 「だ、誰か…!………!」 その時、前方に見える曲がり角の向こうに…誰かの気配を感じた。 訓練生か?戦闘員か?…この際どうでもいい!賭けだ!!訓練生であってくれ!! 守は拳銃で警戒しながらも、曲がり角を左折した。 そこには… 「…明彦!」 こちらに背を向け仁王立ちになっている明彦の姿が。 「…!椎羅木!」 「丁度良かった!協力し…」 協力してくれと言おうとした…が。 「馬鹿者!こっちに来るな!!」 「な…なぁッ!?」 この期に及んで何を言い出すというのか。 だがその理由もすぐにハッキリした。 「椎羅木 守…。加勢に来たのか…。」 マシンガンを両手に構えた坪内が、明彦の更に向こう……かなりの遠距離の位置に見えたからだ。 「いい加減止まりなさ~い!!」 「い゙っ!」 しまった!追い付かれた! 「…誰だ!?」 明彦は即座に振り返り、セレナが廊下を左折して来た…刹那。 ズダダダダ!! 「うげげごがぁッ!!?」 マシンガンの引き金を引き、幾つものゴム弾を撃ち込んだ。
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