最終関門

8/16
前へ
/568ページ
次へ
「心配して急いで降りて来て損したわ。椎羅木君も男らしいところがあるのね。」 くすくすと不敵な笑みを零す本田。 「……そりゃ…どうも。」 守は双方の拳銃の引き金に指を添え、構えた。 「…残念だけど、あなた達はここで脱落よ。私も戦闘員としてあなた達を倒さなければならないわ。」 本田が構えている拳銃の銃口の向き。それが指している方向には…。 ……………守だ。 そして本田は引き金に指を添え… 「守!避けろ!!」 ダァン!!…… 華里奈の叫びも虚しく、発砲。 ………ゴトッ…カララララ… 一丁の拳銃が吹き飛ばされ、床に落ち、滑っていく。 「……嘘…。」 唖然とする本田。右手に握られていた筈の拳銃が消えている。 「………勝った。」 発砲したのは、守だ。 一足早く片方の拳銃の引き金を引きゴム弾を発射。本田の拳銃に命中させ、吹っ飛ばした。 「俺達だってここまで来て負けたくない…負けるわけにはいかないんだよ。」 「くっ…!」 本田は急いで拳銃を拾いに走り出す…が。 「無駄ですよ、本田さん。」 本田の拳銃を踏み付け、マシンガンを構えた明彦が本田の視界に現れた。 「観念してくださいねー。」 その背後には、翔。 「守から無線で連絡があったんだー。遠くて来るまで時間かかっちゃったけどねー。」 「花村も狙撃の体制に入ってる筈です。何をしても無駄ですよ。」 明彦と翔がここにいるということは……古賀と木村はやられてしまったのだろう。 そして、この八方塞がりな状況。 …私達の負け………か…。
/568ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29145人が本棚に入れています
本棚に追加