最終関門

13/16
前へ
/568ページ
次へ
ドサッ…… 頭部に穴を開け、倒れ込む1人の囚人。 赤黒い血液が溢れ床を広がって行く。 「椎羅木…!」 ダァン!! 明彦が何か言おうとしたようだが…その声は銃声に紛れ、消えた。 守が2人目の囚人の心臓を撃ち抜いたのだ。 「古賀さん。何人まで撃って良いんだ?」 守の口から言葉に乗って放たれる憎悪と殺気。 「……3人までだ。」 古賀は一瞬、にやけた。 「了解…と。」 銃口を3人目の囚人へと向ける。 「ま…待て……やめてくれ…。」 恐怖で表情を引き攣らせての命乞い。 守が躊躇いなく銃殺を行うのを見て怖じけついたのだろう。胃が捩切れるような思いだったに違いない。 「うるせぇよ。」 そして、3発目を撃ち出す瞬間。 「ひ…ひぃぃぃぃ!!」 囚人は立ち上がり脱走を試みた。 いや、脱走を試みようとできるほど脳は働いていない。単に逃げたかっただけだ。 その影響か、他の囚人達も逃げようとする。 すぐさま見張りが動きだし、止めようとする…が。 ダァン!! 「……っぎゃぁぁああああああああ!!!!!」 銃声と悲鳴が室内を轟いた。 それにより一瞬静止する囚人達。    呆気なく見張りに取り押さえられる。 守が狙いに定めた3人目の囚人の右膝を射撃したのだ。 「逃げんなよな。」 「ぁぁぁああ………ぐ…ぁあぁあ…!」 右膝を押さえて倒れ込み、激痛に悶える囚人。 流血が床を這ってゆく。 ……………滑稽だ。 ダァン!! 「うぐあッ…!」 今度は左膝へ。これでもう動けまい。 「…痛いか?…怖いか?…死にたくないか?」 どうだ? 俺が 姉貴が 母さんが味わった…この気分は。 ダァン!!ダァン!! 「ぐぅっ……ぁぁああぁあ!!」 今度は両腕へ命中。 完璧に身動きが取れなくなった事を確認すると、守は囚人へゆっくりと近づき、しゃがんだ。 そして、 「がかっ……ぁ…が…。」 銃口を、囚人の口内へと捩込んだ。
/568ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29145人が本棚に入れています
本棚に追加