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本部入口 ジョディのおうち
「セレナ!まだ白ワイン残ってる?」
今ここには沢山の客が訪れ、オカマ・バーらしい(?)活気のある賑わいを見せていた。
ちなみに客といっても、一般人の客はいない。全員本部の関係者だ。尤も一般人にこの場所を嗅ぎ付けられるという事態を起こす訳にはいかないのだが。
それ故に関係者が外出していない限り来訪者が訪れる事は…
コンコン!
絶対に有り得ない…筈。
「…ん?」
ノック音?
コンコン!コンコン!
「白ワインは切らしちゃったみたいね~。今度仕入れとくわぁ~。」
「……ねぇ、セレナ。今、外出してるのって……守君だけよね?」
「そうだけど~?ついさっき出ていったばっかりじゃな~い。」
そう、守はついさっき出ていったばかり。
なのに…僅か1分足らずで戻って来たというのか?
本部の周囲の路地に配置されている見張りの交代時間には早過ぎる。だとすれば…
「侵入者…!」
ジョディが発した一言に店中の人間が静まり返った。
コンコンコンコン!コンコンコンコン!
ドアの開放を急かすかのように激しくなるノック音。
ジョディはドレスの裏に忍ばせていた拳銃を手に取り、安全装置を解除した。
セレナとキョウコや遊びに来ていた戦闘員達も同様に銃火器を構える。
ドンドンドン!!
次第に苛立って来たのか、ドアの向こうの人物はドアを殴り始めた。
もし本当に侵入者だとしたら何人もの見張りを退けてきた証拠。複数と見ていいだろう。
しかし襲撃に見舞われた際は見張りから無線での連絡がある筈。
ドンドンドンドンドンドン!!
ノック音はいっそう激しくなってゆく。
とにかく開けてみる他にやる事はない。ジョディはドアノブを握り、意を決し……
ガチャッ!
ドアを開放した。
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