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阿嘉欺は飛散するガラスの破片と共に落下して行く。
ここは2階。
下はコンクリート。
そして頭部を下に向けて、落下して行く。
「うあああああぁぁぁぁ『ドシャッ!!』
「…あと1人。」
武谷は落ちているナイフを拾い、芝崎を睨み付けた。
「ひぃっ…ま、ままま待ってくれ…。」
小指があった部分を押さえながら後退る芝崎。
流血は止まらないが、大して痛くない。
恐怖が痛みを超越してしまっている。
そんな事はお構いなしに、ナイフを片手に近づいてくる武谷。
「は、話せば分かる……そ…そうだ…!ななななんでも欲しい物をやろう!」
「……。」
無言で近付く。
「い…言ってみろ…かか金…金か?…金ならいくらでも…」
「……黙りなさい。」
とうとう芝崎の目と鼻の先まで来た。
「金じゃ…金じゃないのか?……な、なら名誉…いや地位…いや…」
「黙りなさい!!!」
廊下全体に鳴り響く程の怒鳴り声。
芝崎の口がピタリと止まる。
「……………………………………私が1番欲しいのは……。」
すると武谷はナイフを芝崎の額に突き付ける。
「や、やめ…。」
「貴方達のような害虫がいない世の中よ。」
ドッ
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