14年間

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古賀と長海は舞、華里奈と別れ、司令室へ足を運んだ。 「随分と構造が変わったんだな…。何かあったんか?」 と、長海。 「2001年に改装工事したんだよ。入れ。」 古賀は司令室の扉を開け、入室した。 司令室はとても広く、様々な機械や、世界地図の映し出された巨大モニターが特に印象的に見受けられた。 ここで働く職員達も実に忙しく動き回っている。 他にも大小様々なモニターや、羅列する細長いテーブルに幾つも置かれているノートパソコン、外見では使い道のよくわからない機械などがあるが…数が多すぎる。1つ1つ見て回るとしたら一体何時間かかることか。 「合格者名簿は…と。あった、これだ。」 古賀は並んでいるノートパソコンの1つの前に立ち、電源を入れた。 このノートパソコンには戦闘員や訓練生についての情報が保存されている。 ノートパソコンの画面には今回の試験合格者5名の名前や情報、顔写真が掲載されているページが開かれていた。 「サンキュー。…って5人だけかよ。………あ、さっきの子は織田 華里奈って………織田 華里奈!?」 「どうした?華里奈の事知ってるのか?」 「少しな。侍気取りか、刀を手にマフィア潰しを遂行してる日本人少女がいるって噂は傭兵の間でも流れてっからな。さっきはもしかしたらと思ったが…へぇ、あの子がなぁ…。」 銃弾の飛び交う中に、刀を手に身を投じるのは華里奈くらいだろう。裏社会でも、こう言った珍妙な人物は有名になりやすい。 長海は次のページを開き、2人目の合格者を目にした途端…硬直した。 「……こいつは…。」 若干震えているようにも見える。その目からは驚愕という言葉が語られているようにも感じられる。 「いやに大袈裟なリアクションだな…。今度は何だ?」 古賀も脇からノートパソコンを覗き込んだ。 そこに映し出されている試験合格者は……。 「椎羅木 守………だと…!?」
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