14年間

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古賀さん達は試験合格者名簿を見に行くと言っていた。だとすれば、司令室にいる筈。 無我夢中で廊下を駆け抜ける舞。どんなに息が切れようと止まる気配は無い。 そして、司令室前の扉へと辿り着いた。その時、 「おい!何やってる!?」 1人の男が即座に駆け寄り、舞の右肩を掴んだ。 「君は病棟区の者だろう!司令室は立入禁止だ!」 「ご、ごめんなさい!でも急いでるんです!」 男の手を振り払おうともがくが、びくともしない。 戦闘員だろうか。 「こら…暴れるな!!」 「離してください!!会いたい人がいるんです!!」 「そんなもの理由にならん!!」 口では何を言っても無駄だ。ならば…! ゴスッ!! 「はぅあ゙っ!!?」 突如、男の股間に凄まじい激痛が駆け巡る。 舞が蹴り上げたのだ。 所詮はただの女だと油断していたのだろう。がら空きだ。 そして股間は鍛えて頑丈になれる部位では無い。戦闘員といえど、最大の弱点には違いないのだ。 舞は背後でうずくまる男に罪悪感を感じながらも司令室へと入室した。 「長海さん!!長海さん!!!」 長海の名を大声で叫ぶ。しかし、この行動が失敗だった。 「な、何故ここにあの子がいる!?」 「分からん!とにかく取り押さえろ!!」 しまった。立入禁止区域で何をやってるんだ、私は。 舞目掛けて全速力で向かってくる数人の職員。 彼らはすぐさま舞を取り押さえた。
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