14年間

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「…!ありゃあ何の騒ぎだ?ちょっと行ってくる。」 古賀は司令室の出入口付近でどたばたと暴れている職員達の元へ駆け足で近付いて行った。 そこには… 「どい…て…くださ………。」 数人の職員に両手、両足を押さえられ、身動き1つ取れなくなっている舞の姿が。 「何やってんだ…お前ら…。」 「侵入者を取り押さえました!」 「侵入者?そのお嬢さんの事か?」 「はい!」 ………どうすれば良いんだ?こういう時は。 「すみませんでした…。」 古賀に救われた舞は司令室を出てすぐに頭を下げた。 「なんつー無茶してるんだ…君は…。」 舞は割と大人びた性格だと思っていた分、呆れ様が半端ではない。盛大な溜息を吐いてやりたい気分だ。 「別に良いんじゃないのかぁ?そんくらい。元気な嬢さんじゃないか。」 その時、背後から長海が現れた。 「別にいいって……それくらいで済まされる問題じゃないぞ!これは!」 「それより君は俺に用があって来たんだってな?」 些細な言い合いが再びバーでの喧嘩のように発展する事を恐れたのか、単に面倒になっただけか、古賀への返答を返さなかった。 「はい……あの、本当に長海 真さん…なんですよね?」 「そうだが?」 「……じゃあ…1つだけお聞きします…。」 改めて長海の目をしっかりと見る舞。 ………しばし続く沈黙。 …大きく深呼吸をし…………口を開いた。 「椎羅木という姓に…聞き覚えはありませんか?」
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