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暗くてよく分からないが、芝崎が力無く倒れ込むのは嫌でも分かった。
そして、とめどなく流れ出る毒々しい血液も。
「……。」
……カラン…
血に濡れたナイフを放り捨てる武谷。
「椎羅木君、怪我は無い?」
彼女から発せられた一言は意外にも優しい言葉だった。
とても、何人もの人を殺した人物とは思えないくらいの。
「あー…服が返り血でベットリじゃない。ごめんなさいね。今購買の方から新しい制服持ってくるから。」
「……あ…あぁ。」
守は未だに理解仕切れていなかった。
昨日までは自分達の教師だった人達が、このような形で死を遂げるとは…誰が予想できようか。
改めてこの場を見渡してみる。
………死体。
血生臭い……複数の死体。
……………吐き気がする。
ドサッ
「…あ、姉貴!?」
突然、舞が倒れた。
気絶してしまったようだ。
「あら…女の子にはショックが大きすぎたかしらね?」
武谷は何食わぬ顔で言った。
「……なあ…俺達、どうすれば良い?」
「ん?」
「何がどうなってんのか全然わかんねえけど…ヤバイ事に首突っ込んだみたいだし…。」
「その事なんだけど…。」武谷の表情が気まずそうなモノに変わる。
「とにかく場所を移しましょう。いつまでもこんな場所にいたく無いでしょ?」
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