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「それじゃ注目。戦闘員になったあなた達に色々と話さなきゃならない重要な事があるの。……この組織についての事ね。」
と、本田。
この組織について……わざわざ改まって説明する必要があるのだろうか。
この組織はマフィアを撲滅するためにある。それ以上それ以下でも無いのではないか?
「言っておくけど、この組織はただマフィアを潰すためだけに存在すると思ったら大間違いよ。」
「…へ?」
心の内を読まれた?
今のほうけた返事で本田は今度こそ全てを悟った様子。腕を組み、視線を守1人へと集中させ口を開いた。
「じゃあ椎羅木君。あなたはこの組織の何を知ってるの?」
「え……いや…その…。」
まるで授業中に教師から指名、質問されたが、予習を怠っていたため何を言えば良いのか分からず困惑している生徒のような気分だ。
救いの眼差しを華里奈へ向けるが…
「…。」
見事に無視。
考えてみれば……マフィアを撲滅するという目的以外は何1つ知らない。というか、それ以外に知る必要があるのか?
「椎羅木に構っている時間が勿体ないです。早く続きを。」
と、明彦。何となく腹が立つ物言いだが、まあ助かった。
「…分かったわ。まずは…そうね。組織の名称から話しておこうかしらね。」
名称……そんなものあったのか。初耳だ。
「この組織の名は、『マフィア エクスターミネーターズ』。」
……え?英語?
「マフィア………何だって?」
「マフィア エクスターミネーターズ。直訳でマフィア駆除部隊。」
その時、翔が口を開いた。
「駆除ってー…。害虫相手じゃないんですからー…。撲滅とか打倒とかの方がカッコイイじゃないですかー?」
「それはマフィアなんて所詮は害虫。駆除すべき邪魔な存在だという意思の表れよ。…ぶっちゃけた話、名称なんてどうでも良いかもしれないかしらね。概要について説明するわ。」
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