MAFIA EXTERMINATORS

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時刻 Xー03号室 第三図書室 ここは本部関係者や保護されている一般人が共有している図書館のような場所だ。全5つの部屋に分かれており、それぞれとても数え切れないような大量の本が保管されている。 ガチャッ! 「ハァッ…ハァッ…ハァッ…!」 その時、息を切らした翔がドアを開け放ち入室した。 駆け足のまま身長の2倍の高さはあるであろう、木製の本棚の羅列の合間を縫って行く。すると… ガッ 「うわぁっ!?」 「ぐおっ!?」 ドシャッ!バサバサバサッ! 何かに躓き豪快に鼻から転倒。床に積まれていた本の束を崩してしまった。 「いってぇ~…。」 鼻血が出ていないのが奇跡だ。 「おい…図書館で走るな…。君は子供じゃないだろーに…。」 背後から声が聞こえる。……どうやら人に躓いたらしい。 …なんか凄く悪い事したなぁ…と、思う。 とりあえず散乱した本をソッコーかき集め、謝罪しよう。 翔が本の1冊に手を伸ばした、その時。 「ぇ…。」 体が急停止。 ポタッ ………今度こそ、鼻血が滴り落ちた。 手を伸ばした先の本に載っている写真。それは… 水着姿のお姉さん…? 「…君も読んでみるか?」 「え…あ…え?ええ!?」 再び背後から声。咄嗟に振り返るとそこには、 「な、長海さん!」 「よぉ。」 長海だ。 本部に雇われた傭兵らしいが、とても人の良いおじさんという事しか翔は知らない。 そんな事より図書室にこんな本を持ち込むなよ…。自由奔放な人だ…。
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