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そして担任によるホームルームが終了し早速スクールジャック阻止のために動き出そうと立ち上がった。瞬間。
ドドドドドドドドド…
凄まじい振動。
やはりか。
「な、何だ…?」
何が起きたのか理解しきれていないであろう華里奈の周囲にクラスの過半数の生徒が押しかけた。
転入生への質問タイムの始まりだ。
「なあなあ、小田原ってハーフだろ?どこの国の血が混じってんだ?」
「いや…違う……。」
「嘘!?カリーってハーフじゃないの!?」
「あと2日で冬休みだよ?何でこんなタイミングで転校したの?」
「カリー様。この醜い豚めにお仕置きを。」
質問のテンポに追いつけていない。
「カリーって変わった名前だよね。」
守の元に背後から美奈が歩み寄って来た。
「変わってるどころの話じゃないだろ。」
しかし……他に良い名前は無かったのだろうか。
「守!どこにいる!?守!!」
その時、有名人にたかる大勢の記者のような生徒達の中から守を呼ぶ声が聞こえた。……助けを求める声というべきか。
だがここからでは華里奈の姿がまるで見えない。何よりあの中に無理に突っ込めば間違いなく拳銃の存在が暴かれてしまう。
「守って…え?」
「お前、椎羅木と知り合い?」
「ああ。」
華里奈は刀が入れられている竹刀用の入れ物を掴み、人込みを強引に掻き分け歩き出した。
「え?カリーと守…」
「悪い、また後でな。」
ポカンと突っ立っている美奈を背に守も歩き出し、華里奈と合流する。
そして颯爽と教室から出ていった。
残された生徒達は…
「小田原って守の何だ?」
「さぁ?もしかしたら出来ちゃってんじゃない?」
「出来ちゃってるって?もしかして子供が!?」
「その出来ちゃったじゃねぇよボケ!…にしても守の野郎…あんな可愛い子を…。」
突然の転校生が長い間姿を消していた生徒と何か繋がりがあるという事実を目の当たりにし、動揺を隠し切れない様子だった。
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