29145人が本棚に入れています
本棚に追加
/568ページ
その時、拳銃を構えた3人の男が建物の廊下から飛び出した。
華里奈はたった今斬った男の胸倉を掴み、自らを覆い隠すように引き寄せた。瞬間。
バスッ バスバスッ
鈍い音と共に男の体が引き付けを起こした。
弾丸が撃ち込まれたのだ。
男を引き寄せたのは弾避けのため。男の血液が服にベットリと付着するが周囲に障害物が無い時には効率の良い手段だ。
だがこのままの状態では長くはもたない。袖口からナイフを3本取り出し、指の間に挟む。
そして、既に息の無い男を放り捨てると同時に…一斉に投げた。
「いっ…!」
「がぁッ……!!」
1本は回避されるものの男2人の腕に突き刺さり、拳銃が手から落下。プールサイドを転がっていく。
「クソッタレが!!」
残る1人の男が拳銃を構え発砲した。
だが使える拳銃が一丁ならば銃口の向きから弾道を先読みし、容易に回避できる。
怯む事なく男達との距離を詰めていった。
ダン!
そして地面を思い切り蹴り、大きく跳躍。
「はぁあッ!!」
ザシュッ!!!
着陸と同時に男2人の首を…撥ねた。断面から噴水の如く噴き出す血液の数滴が華里奈の頬に飛び散り、斑点となる。
残るは、1人。
「んのアマ…!」
最後の男は焼けるような痛みを堪え、腕に突き刺さっているナイフを強引に引き抜いた。
「調子に乗ってんじゃねぇ!!!」
すぐさま華里奈目掛けてナイフを振り上げる。
ギィン!!
凄まじい金属音。
「く…ぁッ!」
咄嗟に刀で受け止めたが、力任せに叩き込まれたため重い衝撃に襲われた。
後方へよろけつつむもバランスを保とうとする、が。
「しまっ…。」
バッシャアァン!
プールを囲う段差に躓きバランスが完全に崩壊。頭からプールへ転落した。
最初のコメントを投稿しよう!