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パソコンの傍らに置かれている2枚のCDの片方をCDドライブへ入れ、そのファイルを開く。
すると
「……はぁ!?」
パスワードを入力しろ、という表示が。
分かるわけないだろうが…。
だがこのようなセキュリティに守られているという事は、何か重要な物である事には違いない。本部に持ち帰り解析を頼んだ方が良いだろう。
守はCDを取り出すと再びケースへしまった。
そしてもう1枚のCDを挿入、ファイルを開く。
「……!………お手柄じゃねぇか!俺!」
思わずガッツポーズをキメてしまった。
守はポケットから携帯電話を取り出し、華里奈の番号を入力。通話ボタンを押した。
「守か。どうした?」
僅か3秒と経たないうちに繋がった。こちらからの電話を待ち構えていたのではないかと考えてしまう程に。
「今すぐ6階まで来てくれないか?見せたい物がある。」
「見せたいも…へくしっ!!……何だ?それは。」
自らの言葉を遮るくしゃみが電話の向こうから聞こえた。考えてみれば華里奈は屋外にいる。冬の寒さが応えるのだろう。
「ん?風邪かよ?」
「いや……寒中水泳してしまってな…。」
「は?」
「何でもない。今からそっちに行く。」
その言葉を境に華里奈がボタンを押し、通話が途絶えた。
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