スクールジャック

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守は6階の扉を開き、入った、が。 「…っと。華里奈、ちょっと待て。」 後に続いて入ろうとする華里奈を手で制止した。 「何だ?」 「お前、銃とか嫌いなんだろ?」 すると守は廊下に羅列しているマシンガンやショットガンを拾い、1つずつ教室へ投げ込み始める。 銃を差し出しただけで怒りをあらわにする華里奈だ。足元に幾つも転がっていては…たまったものでは無いだろう。 だがいつか夏美から聞かされた、そういった状況に陥ってしまった理由を考えれば仕方がない。 守としても出来るだけのフォローをしなければ。そう思っていた。 「……守…。」 まさかこのような気の使われ方をされるとは思わなかったようだ。華里奈は目を丸くしていた。 「これで最後…と。華里奈!もう良いぞ!」 ようやく全ての銃火器を片付けたようだ。廊下の奥から華里奈を呼んでいる。 「……ああ。」 華里奈は足早に歩を進め、守の元へと向かった。 「……優しいな。お前は。」 「そうか?お前の事を考えたら、当然だろ。」 ……当然か。 私の事を思ってそんな事をしてくれるのは…守。お前だけだ。 「ありがとう。」 礼くらいは言っておいてやろう。 「べ、別に礼言われるような事…そ、それよりこっち来てくれ。見せたい物があるんだよ。」 …どうやら、こいつは礼を言われることにはあまり慣れていないらしい。 どこからどう見ても思いきり照れている。 守は逃げるように教室のドアを開け、入室した。
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