狂い出す運命

21/21
前へ
/568ページ
次へ
その後、武谷は守達を家まで送ると颯爽と帰って行った。 「おい、姉貴起きろ。」 守の背中で未だに気絶している舞を揺するが、 「……………。」 気が付かない。 「…しょーがねえな。…」 とりあえずずっと外にいるわけにもいかないので、家に入る事にした。 だが玄関に手を掛けた瞬間、無意識に体の動きが止まる。 あんな物を見て、あんな思いをして、親にいつも通りに接する事ができるだろうか。 例え事実を話したとしても信じてもらえる訳がないが。 ……まあ、そんな事はどうでもいい。 今は早く寝よう。 寝て忘れてしまおう。 もう俺には、関係ない事なんだから。
/568ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29147人が本棚に入れています
本棚に追加