スクールジャック

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「来るぞ!構えろ!」 突然の華里奈の掛け声。 スーツ姿の男のうち2人がこちら目掛けて走り出した。 守達をただの生徒だと思い込んでいるようだ。男達には銃を抜く気配はない上に、一直線に突っ込んでくる。 チャンスは今だ。 守は二丁拳銃を構え、引き金を引いた。 パシュッ!パシュッ! サイレンサーにより抑制された銃声が腕を通して鼓膜へと響き渡る。 だが…、 「くそッ…!」 当たらない。 相手は真っ直ぐ向かって来ている筈。距離もそれほど遠い訳ではない。にも関わらず、何発撃っても命中しない。 ……焦っている…? その時2人の男は散り散りになり、物影へ身を隠した。銃を所持している事から守達がただの生徒では無いと判断したようだ。 「チッ!」 華里奈が舌打ちを1つ。鞘から刀を抜き、駆け出した。 「か、華里奈!」 「お前はそっちをやれ!良いな!」 華里奈の言う「そっち」とは、守に近い方に隠れた男の事だ。 守も華里奈を真似て走り出した。 その時、 「くたばれやァッ!!」 物影に接近した途端、男が飛び出した。 この男は…暴力団員…! 守は即座に双方の銃口を向ける…が。 「なにっ…!」 速い。 気が付けば男は守の懐へと急接近していた。 男の右手には日光を反射し、まばゆく煌めいている物体が。 ………ナイフだ。 男は守の顔面目掛けて、ナイフを振り上げた。 「く…!」 間一髪。 咄嗟に後方へ跳躍。刃は顎ギリギリの位置を通過した。 「んだと…!?」 唖然としている男。まさか回避されるとは夢にも思わなかったのだろう。 子供だからといって、舐めすぎだ。 「くらえ…!」 守は左手の拳銃を構え、撃った。 「ぅげぁッ!!」 心臓を狙ったつもりだったが弾丸は僅かに反れ、左肩へ命中。滲み出る血液がスーツを赤く染めた。 「こんの…ショウタレが……!!ぐぁ…!」 続けさまに鳩尾を力付くで蹴り飛ばした。 男は激痛により表情を歪め、左肩を抑えながら仰向けに倒れ込む。 …チャッ 「ひぃっ!!」 小さな悲鳴をあげる男。 守が眉間に拳銃を突き付けたのだ。 「な……何もんだ…テメェ…。」 男の表情が恐怖に引き攣る。余程恐ろしいに違いない。 「マフィア エクスターミネーターズ…。」 小さく低い、殺気がこもった守の声。 「お前らを…“駆除”しに来た。」 パシュッ
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