スクールジャック

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屋上 チュイン!チュイン!チュイン!チュイン! 屋上の壁や床で跳弾し、火花を散らす何発もの弾丸。 「ハッ!当たんねーなァッ!!」 弾丸を軽快な身のこなしで、次々と確実に回避していく…カポ・レジーム(幹部)の男。 「くそッ…!何で…!」 焦りを隠せない守。 さっきから何発も……何発も撃っているというのに… 何で1発も当たんないんだよ! 近距離で狙いを外す筈がない。確実に回避されている。 これが……カポ・レジーム…! …カキン 「ッな…!」 その時、右手の拳銃の弾が切れた。 弾丸が空となったマガジンを即座に捨て、ポケットから新たなマガジンを拳銃を握ったままの右手の小指と薬指で器用に掴み、引っ張り出した。 だが、 「よそ見かよ。ガキ。」 背後から男の声。 男は守の顔面目掛けて蹴りを叩き込もうと右足を振り上げた。 「くッ…!」 間一髪。 咄嗟に真横に跳躍し間一髪で回避。ある程度男との距離を空けると今度こそマガジンを入れ、弾丸をリロードした。 「逃げだけは一人前ってか?お前、マジ情けなくね?」 男の挑発的な発言。だが、そんなものに耳を傾ける余裕は無い。 問題は…どうすれば命中するか。それだけだ。 こいつは…先程の暴力団員とは訳が違う。銃口の向きから弾道の先読みをする回避方法があるとはいえ、こんなにも連続的に…それも二丁の拳銃を相手に出来るものなのだろうか。 男は武器も構えずにただ弾丸を避け続けるばかり。完全に守をおちょくっている。 「…お前さぁ、戦い方が全然成ってなくね?」 男は拳銃を構えたまま動こうとしない守を見据え、口を開いた。 「俺相手にただ狙って撃つだけで勝てるわけねぇってーの。」 男の言葉など聞くつもりは無い。引き金を引き発砲するが、やはり避けられる。 「……しゃーねーな。」 すると男は守に向かって全速力で走りだした。 …速い。みるみるうちに距離が縮まっていく。 「…ッ!」 守は咄嗟に二丁拳銃を構えるが、焦りからか狙いが定まらない。 気が付けば男は…目前に…! ガッ!!……ゴトッ…! 同時に右手に衝撃が走る。拳銃を…叩き落とされた。 すぐさま左手の拳銃を向けようとする、が。 ガシッ 胸倉を掴まれ、 ゴッ…!! 「……がっ……!」 貯水タンクを囲う壁に叩き付けられた。
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