スクールジャック

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その時、 「チッ!!」 男は舌打ちをすると守を手放し、後方へ跳躍した。 「………っ…。」 よろけ、壁に寄り掛かる守。 …カラン 同時に1本のナイフが落下した。 ……頭が痛い。 視界が…揺れる。 「守。大丈夫か?」 そんな中にも関わらず、ハッキリと聞こえる…華里奈の声。 守の目前には、刀を右手に構えた華里奈の姿があった。 男を守から引き離すため華里奈がナイフを投げ付けたのだ。 結果的にナイフは避けられてしまったが。 華里奈は守の状態を確認すると男へ視線を向け、駆け出した。 「あ?何でこの女が…。」 華里奈にはソルジャー(構成員)2人を向かわせた筈だ。 まさか…やられたのか? ………どうやらそのようだ。 ここから大分離れた場所にソルジャーの首が転がっている。 それを確認する間にも距離をぐんぐん狭めてくる華里奈。 そして右足を大きくふみこみ、 「はああッ!!」 刀を横に…思い切り薙ぎ払う。 「…っぶねぇな!!」 男はまたもや後方に跳躍し、その一撃を避けた。 だが、 「まだだ!」 すぐに刀を持ち直し、素早く突き出す…が。 「テメェも…!」 男は体を傾け回避した。 「ウザってぇんだよ!!」 そして華里奈の鳩尾を蹴り飛ばそうと、右足を振り上げる。 ガッ! 間一髪。 華里奈は左手の甲で足を受け止め、鳩尾への激突を許さなかった。
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