スクールジャック

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しかし、 「邪魔すんな!!」 守は華里奈の手を払いのけた。 「あいつを殺すのは俺なんだよ!!!お前は手を出さないでくれ!!!」 そして再び男へ突っ込んでいく。 二丁拳銃を構え引き金を引く、寸前。 ゴッ!! 鈍い音が鳴り響くと同時に、重い衝撃が頭を駆け巡った。 「がっ……。」 視界が激しく歪む。 自分が倒れたことに気付くことさえ、しばらく時間がかかった。 この衝撃の原因は…華里奈だ。 華里奈が刀の柄で守の後頭部を打ち付けたのだ。 「…頭を冷やせ。」 華里奈はそう言うと守の横を通り過ぎ、 ヒュッ 男目掛けて、刀を薙ぎ払う…瞬間。 「……!!」 華里奈の動きがピタリと止まる。 右足を踏み込み、刀を居合のような形で掴んだままの体制で。 静止しているのは華里奈だけではない。 守と男も…静止している。 3人の耳に微かな音が入り、反射的に体の動きを止めたのだ。 この単調な音は………パトカーの…サイレン…? …警察!? その音は段々と大きくなり、この学校の側まで来たかと思った瞬間…停止した。 先ほど義一が通報した警察がとうとう到着したのだ。 大量の銃火器があるとの通報を受けたため、機動隊が駆け付けている。 「警察…!?マジかよ…!」 男は守達に背を向け、走り出した。 見ると上空から一機のヘリコプターが接近している。警察の登場を知り、男を回収しに来たようだ。 幸いこの学校の周辺には背の高い建物は無い。機動隊が突入するか、マスコミがヘリコプターで上空から撮影をする以外、警察に顔を見られることは無い筈。 今のうちに撤退するつもりなのだろう。
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