スクールジャック

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「待て…!……待てよ…」 後頭部を強打し朦朧とする意識の中、守はふらつきながらも立ち上がった。 頭からの出血が徐々に増え、血が被さるように流れたため左目を開くことはできない状態となっている。 右目のみで見えている歪む視界を懲らし、男の姿だけでも捉えようと、視神経を集中させた。 「待て?…ハッ!テメェ、マジで馬鹿じゃね?」 振り返り、あからさまな嘲笑を見せ付ける男。 「サツがそこまで来てんの分かってんだろうがよ。見つかる前にトンズラすんのは当然じゃね?」 「守。正論だ。」 納得いかないような…悔しそうな表情をしている守の目前に立った華里奈が言った。 「警察に私達の存在を知られるのはマズい。一旦休戦するのはこちらとしても得策だ。」 「……くッ…!」 何でだよ…! 仇が…目の前にいるんだよ…。 殺さなきゃいけない相手がいるんだよ…! 「まあ、そういう訳だし。お互い穏便にトンズラがベストなんじゃね?まァ、そんなに俺が憎いんなら…とりあえず覚えとけ。」 と、男。その後、こう言った。 「狩代 龍(かりしろ りゅう)。これ、俺の名前な。 次会う時に機会があったら、大声で俺を呼べよ。 ソッコー駆け付けて、ママの所に逝かせてやっからよォ!!!」 やがて到着したヘリコプターに乗り込む狩代。 「狩代…龍…!」 その名を…顔を…姿を脳裏に刻み込め。 この憎悪を忘れるな。 狩代 龍 テメェは…俺が殺す…!
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