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「…中々面白そうじゃないか?椎羅木。」
明彦は腕を組みながら横目で守をチラ見した。
「でも絶対寒いぞ…。山だし…雪降ってるし…。」
「うるさいって言ってるだろ…!」
と、またもや木村が口を閉じにかかる。流石に二度目となると声に苛立ちが見え隠れしていた。
《では注意事項を簡単に説明します。
知っての通り三原山は有名な活火山なので観光地となっておりますが…、任務当日は一般人の立ち入りが無いようこちらで手を回しておきます。
また、凍傷になる可能性は否めないので防寒対策は各自でしておくように。高山病の危険もあるので開始から5時間を目安に拠点への帰還を。
雪崩に関しては発生が予測された場合、事前に拠点から無線で退避命令を通達します。》
冬山での戦闘には敵以外にも様々な危険が付き纏うものだ。
《視界や射界から考えて拠点の場所はなるべく高い位置が好ましいのですが…ヘリでこの人数を運ぶことは不可能ですし、目立った行動をしては奇襲になりません。
よって拠点は三原山ふもと付近に設置します。戦闘員は20のグループに別れ、各自の判断で動いてください。
遭難防止のため戦闘員の位置は拠点にて常に把握しています。敵の配置についても各グループへ拠点から無線で連絡を行います。
敵は全員が準構成員なので大した脅威にはなりませんが、細心の注意を払うように。
出発は明日の午前10時。東京湾から大型船にて八丈島へ向かい、同日午後10時にて任務を開始します。
………………以上です。》
どうやら任務の概要についての説明が終了したようだ。
本田は一礼するとモニターの前から去って行った。
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