崩れ落ちる平穏

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「え?何で?今日のお前ノリ悪いぞ?」 「こっちも色々あるんだよ。」 「そうか…。金井も誘うつもりだったんだけどな。」 「とにかく無理なモンは無理なんだよ。じゃあな。」 守は少々強引に電話を切った。 「こっちはカラオケどころじゃないんだっつの…。」 枕に顔を突っ伏し、目を閉じる。 ……妙に落ち着いて来た。 「……………。」 …………… ………… ……… …… … ……ガバッ 突然、ベッドから跳ね起きた。 「…少し表に出よう。」 「守、やっと起きたの?」 階段を降りてリビングへ向かうと早速母に声を掛けられた。テーブルを拭いていたのかその手には布巾が握られている。 「ああ。」 本当は随分前から目が覚めていたが、ここは敢えて嘘を付く。これと言った理由は無いが。 「休校だからって勉強サボっちゃだめよ?朝ごはんは?」 「いらね。食欲無いし。」 「そう…。」 心配そうな表情を見せる母を余所に、玄関へ向かった。 「ちょっとブラついてくる。昼までには帰ると思う。」 守は靴を履き、玄関を出た。 今日も暑い。太陽がじりじりと日光を照り付ける。 「…さて、どこに行こうか…。」 守はとりあえず、行き先もハッキリしないまま気の向くままに歩く事にした。
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