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守達はその後もデッキを適当にぶらついていた。
そしてしばらくすると…
「あらら~ん!守君じゃなぁ~い!」
……気温に関係なく、背筋が悪寒で凍り付くような感覚を覚えさせる声。
「ほんとだ!守く~ん、華里奈ちゃ~ん、一緒に遊んでかな~い?」
「うふふふ…いらっしゃ~い。」
恐る恐る振り返るとそこには…
OKAMAブラザーズ…。
正直、かなり驚いた。
ジョディ、セレナ、キョウコも戦闘員。今ここにいる事は何も不思議ではない。
では何に驚いたかって?
そんなの簡単だ。
デッキには屋外プールが設置されている事は分かっているだろう。
この真冬という季節には絶対に使用する事の無い、屋外プールが。
OKAMAブラザーズは今、そのプールで、水泳を楽しんでいるのだ。
それも、女性用の水着で。
嗚呼……目が腐る…。
余程見てられないのだろう。華里奈はプールに背を向け、無言で突っ立っていた。
「華里奈…向こういかないか?」
と、守は華里奈に持ち掛けてみた。
すると…
「連れないじゃな~い!遊びましょうよ!守君!」
ジョディがプールから上陸。守目掛けて全速力で走って来た。
「い゙っ…!」
守の全身に鳥肌が駆け巡る。
「守!下がれ!」
華里奈はほぼ同時に刀を鞘から抜刀。
右足を軸に回転し、跳躍。ジョディ目掛けて飛び掛かった。
峰をジョディの腹に叩き込もうと横薙ぎに振るう…が。
「見切った!」
咄嗟に低姿勢になるジョディ。華里奈の素早い一撃を…回避した。
「何ッ…!」
避けられるとは思いもしなかった。華里奈の表情に焦りが浮かぶ。
「いつまでもやられっぱなしだと思ったら大間違いよ!!」
守に近づく度に抜刀されているのだ。そろそろ慣れてきているのだろう。
「守君!覚悟しなさぁぁああい!!」
そして、追う!
「こっちに来るなああああぁぁぁ!!!」
守は反射的に振り返り、一目散に逃走を開始した。
……何故今日は立て続けにこんな目に遭うんだろう。
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