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脇腹を抑えて冊に寄り掛かっているジョディ。
華里奈は滑り込むように一気にジョディに接近し、力の限り刀を振り上げた。
刀は峰を上に向けて急上昇。
メリッ…!
「……ッ…がッ…!」
股間に……叩き込まれた…!
男性の皆様、考えて頂きたい。
頑丈な金属を…微塵の容赦もなく…『メリッ…』という音が響き渡る程の衝撃で……股間に叩き込まれたら…。
憐れ、ジョディ。もう使い物にならんな。
いや、ここはポジティブに考えるとしよう。
オカマにとって最も邪魔(?)な物を除く良い機会になったのではないだろうか。
うん、ごめん。慰めにもなってないね。うん。
ジョディは白目を剥きながら傾き、冊を乗り越え…海へ転落して行く。
……って、おい!!!
気が付けば俺は咄嗟に冊から身を乗り出し、ジョディの手を掴んでいた。
……危機一髪。ジョディは海へ落下する事なく辛うじてぶら下がっている状態となった。
「ば、馬鹿!こんな季節に海に落ちたら…死ぬぞ!」
冬の海は極寒そのもの。こんな場所にほぼ全裸状態の人間が落ちれぱ…言うまでもない。
華里奈はバツの悪そうな表情をしている。ジョディを助けようとするつもりは全く無いらしい。
「守…君!」
ジョディは片手で守の手を握り締め、片手で股間を抑え、腹から声を搾り出した。
「今引き上げるから!離すなよ!」
しかし、
「後でお礼に、アタシの熱ぅい抱擁を交わさせてあげるわ~!」
熱い…抱擁…?
…………ゾッ……。
描写をイメージしてしまった。体中の力が抜ける。
そして勿論、ジョディの命綱(守の手)の力も抜けた。
「きゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ『ドボォン!!』
あ、やべぇ。
落とした。
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