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タタタタ…タァン…タァン……
その時、微かに銃声が耳に入った。
どこかで戦闘が開始されたようだ。
「…いたわ。」
先頭を走っていた本田は急に足を止め、樹木の影へ身を潜めた。
発見したのだ。ここから50メートル程先に、数人の人影……駆除すべきマフィアの準構成員を。
暗闇の中に擬態するためか全員が黒いコートを身につけている。
幸か不幸か今は雪が降っていないため、とても見通しが良い。あちらに発見される前に…仕掛けなければ。
「私と長海君で引き付けるわ。皆は回り込んで…」
本田が効率的に戦闘を進めるために作戦を伝えようとした、が。
「行くぜ浩司!正面突破だ!」
「おう!ヘマすんなよ!!」
長海と古賀が一足先に突っ込んでいってしまった。
身勝手に、そして考え無しに。
「ちょっと…古賀君!長海君!」
すぐさま呼び止めようとするが…無視。
「はっはっは。あのお二方は元気が良い。はっはっはっはっは。」
それを見て坪内が陽気に笑い出した。結構ハプニング映像とか好きなタイプだな。この人。
「坪内君。笑ってる場合じゃないの、分かってる?」
「はっはっは……これは失礼。私達はどうしますか?」
「あの精神低年齢の2人が引き付けてる隙に回り込むわ。行くわよ!」
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