29147人が本棚に入れています
本棚に追加
「お子さん達が可愛いのは分かりますが、匿ってはいけませんよ。」
ガチャン
玄関を閉め、母の肩を掴み壁へと押し付ける。
「か、匿ってなんか…そもそもあの子達が何をやらかしたのかも分からないんですよ!」
「ハッ。そのような嘘をつかれてもねぇ。」
その時、警察官は胸ポケットから何かを取り出した。
ナイフだ。
「ひっ…!」
恐怖で思わず表情を引き攣らせる。
この男、本当に警察なのだろうか。
「ザックリいっちゃう前に吐いたらどうです?あ、これ本物ですからね。」
ニヤニヤと怪しげな笑みを零しながらナイフを首元に突き付けた。
「さあ、守君と舞さんの居場所は?」
涙を流し、震えながら首を振る母。
「……ふむ…。」
警察官はナイフを持っていない方の手の人差し指でポリポリと頬を掻く。
「じゃあ百歩譲ってお子さん達は外出しているという話を信じましょう。
では…まず守君から。守君はどちらへ行かれたのですか?」
「し、知りません!ただ…ブラついてくるとしか…。」
「あぁ、そう。」
ザクッ
ブシュゥゥゥゥ
頸動脈を斬られ、大量の鮮血が白い壁を紅く染め上げた。その場に力無く倒れ込む、母。
「せっかく情けをかけてやったというのに…………ねぇ。」
最初のコメントを投稿しよう!