29147人が本棚に入れています
本棚に追加
守は力任せに舞の腕を引っ張り、狭い路地へと走った。
行く場所なんて決めてない。決められるわけがない。
助けを呼ばなければ。
だが、
「守!どこ行くの!?守!?」
舞が守の手を振りほどこうともがき始めた。
「馬鹿…!暴れんな…!」
「な、なんで…なんで逃げんのよ!?あ、あいつ、ナイフ持ってたでしょ!?お、おか、お母さん、助けないと!」
その時、
ダァン!!
「わッ…!」
「きゃあ!!」
路地に銃声が鳴り響いた。
「………く…!」
咄嗟に身構える。
守と舞の前方。そこに、明らかに柄の悪そうなスキンヘッドの男が立っていた。
その手には
「拳銃…!」
銃口を守に向け、ゆっくりと近付いてくる男。
「椎羅木姉弟、見ぃーつけた。」
そして男は引き金を…引…
ズダダダダダダダダダダ!!
「ァガガガガグググゲ!!」
その時、凄まじい音と共に男が突然踊り出した。
ダダダダダ…
「ゲゲゲゲゲ…」
……ドサッ
そして、音が止むと同時に糸が切れた操り人形のように倒れ込む。
全身な小さな…無数の穴を空けて。
最初のコメントを投稿しよう!