崩れ落ちる平穏

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守は力任せに舞の腕を引っ張り、狭い路地へと走った。 行く場所なんて決めてない。決められるわけがない。 助けを呼ばなければ。 だが、 「守!どこ行くの!?守!?」 舞が守の手を振りほどこうともがき始めた。 「馬鹿…!暴れんな…!」 「な、なんで…なんで逃げんのよ!?あ、あいつ、ナイフ持ってたでしょ!?お、おか、お母さん、助けないと!」 その時、 ダァン!! 「わッ…!」 「きゃあ!!」 路地に銃声が鳴り響いた。 「………く…!」 咄嗟に身構える。 守と舞の前方。そこに、明らかに柄の悪そうなスキンヘッドの男が立っていた。 その手には 「拳銃…!」 銃口を守に向け、ゆっくりと近付いてくる男。 「椎羅木姉弟、見ぃーつけた。」 そして男は引き金を…引… ズダダダダダダダダダダ!! 「ァガガガガグググゲ!!」 その時、凄まじい音と共に男が突然踊り出した。 ダダダダダ… 「ゲゲゲゲゲ…」 ……ドサッ そして、音が止むと同時に糸が切れた操り人形のように倒れ込む。 全身な小さな…無数の穴を空けて。
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