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「もう何だってんだよ……姉貴?」
男に続いて走り出そうとするが、舞が立ち止まったまま石のように動かない。
「………。」
「おい!姉貴!」
再び腕を掴み引っ張ろうとするが…。
「……いや…。」
「………?」
「も…いや……。」
「お嬢さん!!」
男も舞の腕を掴み、引っ張る。
「いや…いや……………いやああああああああああああ!!!!!」
突然、舞が絶叫し座り込んでしまった。
目の前で何人もの人間が死に、母の無惨な姿を突き付けられ、精神的に限界なのだろうか。
「チィッ!守君、しゃがめ!」
男はサブマシンガンを構え、撃つ。
背後で4、5人の人間が倒れる音がした。
「仕方ない…!お嬢さんを担げ!」
「え…か…担げ!?」
「担いで逃げるんだよ!早くしろ!」
「わ、わかった!姉貴!」
守は抵抗する舞を無理矢理背負い、男に続いて走り出した。
路地を直進し、曲がり、更に直進し、T字路へと突き当たる。
「華里奈!!聞こえるか!?」
男は無線を手にし、喋り始めた。
「思ったより敵の数が多い!そっちから2人連れて来てくれ!」
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