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「離婚?」
「あぁ。今までは母さんの実家からの仕送りで生活してた。」
「…なんつーか、君も色々大変………………止まれ。」
道を曲がろうとした瞬間、男は突然立ち止まった。
「今度は何だよ…。」
「静かにしろ…!……1人か?」
微かだが角の向こうから足音が聞こえる。
「智子ちゃん。2人を頼む。」
「わかったわ。」
すると男はサブマシンガンに弾丸をリロードし、壁に背を付けてゆっくりと移動する。
………コツ…コツ…コツ…コツ…
足音はすぐ近くまで迫っている。
となれば、既にこちらの存在を気付かれている可能性が高い。
男は引き金に指を添え、飛び出した。
「…っと!」
だが危ないところで引き金を引こうとする指を止める。
そこにいたのは、
「……ったく…脅かすなよ…華里奈…。」
先程無線で呼んだ味方、華里奈だった。
「華里奈さん?」
男の後ろから本田も姿を表した。
続いて、守と舞も。
「うわ…。」
守は華里奈という女性を見た瞬間、少しばかり気分が悪くなった。
華里奈は本田や男と違い…紅い血液がベットリ付着した刀をその手に掴んでいたからだ。
だが身に纏っている白い衣服に血は一滴も付いていないが。
今時珍しい…というわけでも無いかもしれないが、ポニーテール状の髪型で、歳は守と同じくらいに見受けられる。
「…お前、椎羅木 守?」
華里奈は無表情のまま守に歩み寄って来た。
「…ああ。」
どう返事をしたら良いのだろう。近くで見たら何となく可愛いような気もするが…。
「…私、織田 華里奈(おだ かりな)。」
「え?」
「古賀、本田。敵は全部斬った。いくぞ。」
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