崩れ落ちる平穏

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華里奈はワゴン車のドアを開け守と舞を強引に車内へ押し込んだ。 そのすぐ後にマシンガンを構えたままの本田が背中を向けて乗車する。 「せ、狭……うぉあっ!?」 守はシートの背もたれに押し付けられバランスを崩し、背中を軸に半回転。荷台へと頭から転落した。 「ま、守!?」 「馬鹿。」 「いってぇー……な、何だよ…これ…。」 頭をさすりながら目を開くと、荷台にはとんでもない物が置かれていた。 拳銃やマシンガンなど、様々な銃火器が複数。 奥には古賀が使っていた物と同じ物と思われる手榴弾十数個を収納しているダンボール箱。更には数え切れないほどの弾薬。 …もう嫌だ。 「捕まってろ!飛ばすぞ!」 いつの間に乗り込んでいたのか、運転席にはハンドルを握る古賀の姿が。 古賀はエンジンをかけ、力いっぱいアクセルを…踏んだ。 ガクン 発車と同時に大きく揺れるワゴン車。 その時、荷台の器具に固定されていた筈の拳銃が一丁外れ、 ゴッ… 「…ッが…!」 凄まじい勢いで守の後頭部を直撃した。 目の前がぼやけて見える。 やがて視界が暗くなり、意識が遠退いていった。
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