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ザクッ
ブシュゥゥゥゥ!!
阿嘉欺が振ったナイフは、俺には当たらなかった。
なのに、真っ紅な血が火山の噴火の如く噴き出している。
これは、俺の血じゃない。
庇うように俺の目の前に立ちはだかった、
母さんの血だ。
頸動脈を深々と斬られている。
なんで母さんが?
わからない。
すると母さんは俺に振り向き、こう言った。
‐なんで、私が殺されなきゃならないの?‐
わからない。
‐なんで何も知らない私が殺されてるの?‐
わからない。
‐ナンデ、ワタシ、コロサレタノ?‐
わからない。
‐ネェ、ナンデ?ナンデ?‐
わからない。
‐ナンデ?ナンデ?ナンデ?‐
わからない。
‐ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデ?‐
わからない。
‐ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ…
……………わからないよ…。
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