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守は華里奈に連れられ廊下に出た。
廊下は壁も床も全て白く、病院を思わせる造りになっている。
そして等間隔に設置されている病室へ繋がるドアには、それぞれ『Jー31』『Jー32』などの番号が書かれていた。
「……へぇ…。」
周囲を見渡しながら歩を進める守。
「あまりキョロキョロ見るな。」
すると早速華里奈から注意が。
「何でだよ?別に…。」
「ここは病棟区だからまだ良いが、もし重要機密か何かを見てしまった場合はお前を殺さなければならくなる。私の背中だけ見ていろ。」
「こ…殺!?」
移動するだけで何故こんなにも神経を擦り減らさなければならないのだろうか。
だが少なくともあの鉛玉で体に穴を空けられるのは勘弁だ。従っておこう。
白い廊下を延々と歩き、行き着いた先は……Vー01号室。
休憩所だ。
「入れ。」
華里奈が先導してドアを開け、中に入る。
続いて、守も。
そこにはいかにも休憩所らしい光景が広がっていた。
隅には5つの自販機が並んで設置されていて、所々には一度に4、5人座れるであろうベンチが置かれている。
奥には喫煙所と書かれたドアも見受けられた。
そしてベンチの1つには舞と本田。自販機の側には古賀の姿があった。
「守!」
守の姿を見るなり立ち上がる舞。その手には一本の缶ジュースが握られている。
「守君。君はコーヒー飲めるかな?」
片手に缶コーヒーを掴んだ古賀がそう言って歩み寄ってくる。
「…まあ、飲めるけど。」
「君らにとっては大事な話だ。飲みながら聞いてくれ。」
すると古賀は缶コーヒーを守に手渡し、自販機の方へ戻っていった。
「大事な…話?」
「そうよ。」
今度は本田が。
「あなた達がこれからどうすれば良いのか。それを話すわ。」
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