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「言っておくが、今すぐ君達を家に返す訳にはいかない。」
「な、何でですか!?」
突然の突拍子の無い古賀の発言。舞が反射的に疑問の言葉を返し。
大事な話というから何かと思えば、今度は家には返さないと来るとは。
これでは誘拐と同じではないか。だが、
「当たり前だろ。君達は狙われてんだし。それとも、奴らに蜂の巣にされたいんなら別だ。今度は助けてやらんぞ?」
「…ッ!」
諦めたのか、反論の言葉が見つからないのか。舞は肩をすくめ視線を落とした。
「じゃあ俺らどうなるんだよ…。ずっとここで暮らせってことか…?」
今度は守が割って入る。
「ずっととは言わんさ。君達の身の安全が保証されるまでだ。」
古賀は自販機のスイッチを押し、お茶の入ったペットボトルを手に取っていた。
「…じゃあ、安全が保証されるのはいつだよ。」
「あなた達を狙ってる組織を潰すまでよ。」
入れ代わるように本田が口を開く。
「あなた達の安全を確保するにはそれしかないもの。」
「…どうゆうことだよ…?それ…。」
「言った通りよ。壊滅させるの。マフィアを。
巻き込んだ責任はこちらにある訳だしね。それくらいしておかないと。」
自分達の安全が保証されるには…自分達を狙っているマフィアを潰さなければならない。
……チャンスかもしれない…。
「……なあ、よく分かんないけど…あんたらはマフィアを潰すためにあんな事してるんだろ?」
「そうだけど?」
「だったら…頼みがある。」
次に守が言い放つ言葉は、ここにいる誰もが予想しなかった言葉だった。
「俺を……あんたらの仲間に入れて欲しい…!」
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