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「……それじゃあもう1つ。殺される覚悟はあるのか?」
…え?
「ここじゃパタパタ死んでいく奴らが山ほどいる。俺だって智子ちゃんだって、いつくたばるか分からないんだぞ?」
「それは…。」
考えていなかった。自分が…死ぬ可能性がある事など。
言いようのない恐怖感が込み上げてくる。
もしあの弾丸に撃ち抜かれでもすれば…。
「どうなんだ?あるのか?覚悟。」
返答を急かすように詰め寄る古賀。
「……ッ…!」
なんだか…自分が情けない。
「まあ、いきなり答えられる訳ないか。」
すると古賀は守の肩を軽く叩き、休憩所のドアへと向かう。
「とりあえず今日一日考えてみるといい。返事は明日聞く事にしよう。」
そう言い残すと、出ていってしまった。
「古賀君!」
それを追って本田が休憩所を慌てた様子で飛び出していく。
死ぬ覚悟…。
あるのか…俺に…。
「守!何であんな事…!」
今にも泣きそうな表情で詰め寄って来る舞。
おそらく1番ショックを受けたのは肉親である舞に違いない。
「何もしなくたって私達助かるんだよ!?なのにわざわざ…!」
「椎羅木。」
その時、舞の言葉を遮るように華里奈が口を開いた。
「お前達が寝泊まりする部屋に案内する。来い。」
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