29150人が本棚に入れています
本棚に追加
そして数十回に渡るチャレンジの末、ようやく自室に辿り着いた。絶対に重要機密みたいなの見てるよな。俺。
「やった…やったぞ私は…。」
「よく頑張ったよ。ご苦労さん。」
素直に褒めておこう。
「…うん。」
あれ?華里奈さん半泣き?道を間違えて半泣きとか…男勝り(?)かと思ったりしたけど意外に女らしい一面もあったり…
「じゃあ先に休んでるね…。」
若干フラフラになっている舞は先に部屋へ入った。
今日だけで一体何キロ歩かされたのか分からない。足が棒になるとはこの事か。
「鍵は中にある筈。勝手に使え。」
「あ…はい。」
パタン
舞の自室(Bー24)のドアがゆっくりと閉められた。
「じゃあ俺も…。」
守もBー25号室のドアを開け中へ入る、直前。
「待て。」
華里奈に肩を掴まれた。
「何だよ?」
「話がある。私も入れろ。」
部屋の中はちょっと高いホテルの一室のような作りをしていた。
置いてある物は…テレビにパソコン、ベッド、テーブル、ふかふかのソファー、観葉植物など。
だが、何かが足りない。
「言っておくがトイレは共同。風呂は浴場へ行け。分かったな。」
何だその安いアパートのような決まり事は。
絶対ケチってるだろ。それとも部屋に金使いすぎたとか。
共同便所とかちゃんと掃除してんのか?
「で、何だよ話って。」
守はベッドに腰を掛けた。
「決まっている。お前が私達の仲間に入るかどうかという話だ。」
最初のコメントを投稿しよう!