29150人が本棚に入れています
本棚に追加
「ただいまー。」
家に到着。冷房が効いている家は……うん、涼しい。
「疲れた…。母さん、水…。」
「自分でやりなさい。」
「んだよ…台所にいるならついでに水汲んでくれたって良いじゃないか…。」
コップに水を汲み、一気に飲み干した。猛暑でガラガラに渇いた喉が潤っていく。
その時、
「んぁ?メールだ。」
守は携帯電話をポケットから出し、2階の自室にのそのそと入る。
「誰だ?……金井か。」
メールは美奈からだった。
『今日の学校変だったよ~。
なんか下校時刻が4時になったり…。
何かあったのかな?』
「完全下校時刻が4時?なんだそりゃ?」
とりあえずこう返した。
『なんだその有り得ねー下校時刻は。
教師共、仕事サボってどっか遊びに行くんじゃね?(笑)』
しばらくして、また美奈からのメール。
『あはっ!そうかも!ワラ
明日高田先生にカマかけてみない?o(><)o』
いーよ…かけなくて…。
『やってみたい感じするけど取りあえずやめとけ。(-.-;)
もしかしたらヤバイ取引かもしんねーしな(笑)』
守は面白半分でこんなメールを送った。すると、
『ありえねーワラ
どーせなら教師全員マフィアの一員とかにしよ!(^_-)-☆』
(待て待て待て待て!これ女のメールか!?どーせならとか言う問題か!?)
美奈とそんなメールをしてる間に母から晩御飯出来ましたコールが掛かったので、守はリビングに向かった。
「あれ、姉貴帰ってねえの?」
「電車遅れてるんだって。………守、制服くらい着替えなさい。」
「わかったよ。」
着替えるのは後回しでいい。今はとにかく空腹を癒したい。
(今日は…宿題して…ゲームして漫画読んで……。)
「……あ。」
ふと大事な事に気付いた。
「どうしたの?」
立ち上がり、玄関に向かう守。
「教科書忘れた!学校行ってくる!」
玄関のドアを開け、飛び出した。
「やっべ…。ゲーム置いてきちまった…。」
ゲームを忘れるとは何たる不覚。夜道を全速力で駆けていった。
最初のコメントを投稿しよう!