真夜中の迷宮

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「…どうする?」 不安いっぱいの声を発する華里奈。 色々考えてみるが…やはり…。 「がむしゃらに進むしか無いだろ。」 「―チッ。」 お前が舌打ちするな。 「こんな時間にいるかどうかは分からないけど…誰かを見付ける以外に方法は無いだろ。」 「司令室なら誰かがいる筈。探すぞ。」 「行くぞ」では無く「探すぞ」…か。 正直不安だ。 だがここにいても仕方が無い。司令室とやらに行かずとも、誰かに出くわす可能性だってある。 とにかく、ひたすら歩こう。 その時、 ………ぐぅぅ… 「…あ。」 守の腹が悲鳴をあげた。 「…腹減ってるのか?」 「………まぁな…。」 「素直に夕食を食べないからだ。自業自得。」 返す言葉もございませんよ。 更に歩くこと20分。 ここでようやく…。 1人目発見! 「丁度いい。奴に聞こう。」 「ちょっと待った。」 さっさと歩いていってしまう華里奈を手で制する。 「何?」 「あいつ…マシンガンみたいなの持ってるけど…。」 その人物は…肩にサブマシンガンを担いでいた。 「おそらく見張りだ。入口まで来てしまったか。」 微塵の恐れも無くその人物に近付く華里奈。 守も慌ててその後を追った。
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