狂い出す運命

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「ん~守~?何やってんの~?」 しばらく走ると舞に出くわした。フラフラ覚束ない足取りで歩いている。 「姉貴……酔っ払ってんのか…?」 「まあね~。」 「あんた未成年だろ…。つーか、電車遅れたって嘘だな。」 「ふぇ~?なんだって~?」 「………とにかく、どっかで水飲んでから帰れよ。飲んで来た事一発でわかるから。」 「言われなくても分かってるわよ~。………あんたどこ行くの?」 「学校だよ。ゲーム忘れちまって。」 「じゃあ私も行く~。」 何で!? 舞は……特に酔っ払っていると、一度言い出すと聞かない性格なので守は諦めて連れていく事にした。 「さっさと歩きなさいよー。いつまで経っても学校着かないでしょー?」 「姉貴のペースに合わせてやってんじゃねぇか!!」 「うっさいわねぇ!!速く行くわよ!ノロマ!」 「……やっぱ帰れ…。」 「口答えしない!」 「……お前その辺のベンチで寝てろ。」 夜にグッスリ寝ている酔っ払い美人女は変態共にとって最高のターゲットだ。 「はぁ?風邪ひくでしょー?」 「今は夏だ。心配ねえ。」 そんなやり取りをしている間に、いつの間にか学校へ到着していた。酔っ払いとの会話は暇潰しには持って来いだ。 やはり夜の学校というのは不気味な事この上ない。ホラー映画の撮影によく使われる理由が分かる気がする。 「やっぱり校門閉まってるな……。姉貴、ここで待ってろ。」 「はいは~い。」 守は校門を攀じ登り、学校へ侵入した。
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