射撃訓練

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「お前1人残しては心配で眠れない。ここで見ていてやる。」 華里奈は刀を壁に掛け、奥のベンチに腰を落とした。 「心配って…俺が?」 「下手な勘違いはよせ。素人がその辺の物をいじって壊してしまったら困るだけ。ただでさえ予算不足という状況だから。」 最後の予算…何とかという言葉は適当に聞き流すとして、ここに馴染んでいる者に不測の事態が起こらぬように見張っていてもらうのは助かる。 「えっと…悪ぃ。睡眠時間割いちまって。」 「お前が自主的に取り組もうとするなら私にはそのサポートをする義務がある。気にせずやれ。」 そう言い放つと腕を組んで背もたれに凭れ掛かった。まるでベンチから険しい表情で野球を観戦する監督のように。 「おう。じゃあそうさせてもらうか。」 先輩のサポートの元の特訓。必ず成果を出さなくては。 絶対に音など、あげるものか。
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